ESPミュージックスクール

複数アカウント運用とリツイートで業界と学生をつなぐ、総合音楽専門学校のTwitter活用法

世界的楽器メーカー「株式会社ESP」を母体とし、日本で初めて音楽エンタテイメント分野専門として認可を受けた、国内最大規模の総合音楽教育専門学校「ESPエンタテインメント東京」。将来のプロアーティストや音楽関連スタッフ、楽器の製造・修理を担う人材の育成を行う同校の、Twitter活用術を伺いました。

- Twitterの公式アカウントを開設した理由を教えてください

音楽・芸能全般と楽器の専門学校として、業界での活躍を目指している高校生などの若い層に、当校の情報をもっと広めたいと考えました。高校生のTwitter利用率は非常に高いので、学園のPRという目的に加え、進学を検討中の若者に在校生や職員の日常生活を届け 、親近感を持ってもらうのに効果的ではないかと考えています。

- 導入について反対意見などはありませんでしたか

SNSを利用すると、否定的な書き込みが投稿されるかもしれないといった懸念はありましたが、プラス面の方がより多いだろうということで意見が一致しました。学科別に設置したアカウントで学生たちの日常を伝えるツイートを行い、それが総じて学校全体のプロモーションにつながる形を目指しています。業界の舞台裏を紹介するほかに、「ラジオ収録に行った」「業界の方に招待されてライブに来ています」といった内容をツイートすることで、音楽業界と当校の距離が近いことも伝えたいですね。

- 複数のアカウントを運営するに至った流れを教えてください

まず、校長や副校長が中心となって音楽業界関連の情報を発信するアカウントがスタートし、部署や学科別に行っているおもしろい取り組みや学生の日常生活を伝えるために、個別のアカウントが後に続いたという流れです。新しいアカウント立ち上げには学校の認可が必要ですが、現在31アカウントまで増えています。数人で1つのアカウントを共有している場合もあります。

- 運営する際のルールなどは決めていますか

運営上の厳格なルールというのはありませんが、ポジティブな気持ちを発信していこうというのが基本です。営業色が強すぎたり、プロモーションに傾きすぎないことを心がけています。在校生の様子を紹介する時は、「今日はみんなでそうじの日」「今日はみんなでバーベキュー」「海外研修へ。いま空港です」といった、リアルで楽しい感覚が伝わる内容を選んでいます。

  - 複数アカウントで情報発信するメリットは何でしょうか

学生たちと日々接しているそれぞれの学科の職員が、「今日こんなことがありました」「明日はコンテストにチャレンジ」「オーディションに向けて特訓中」などと学生たちの生き生きとした姿を発信できるのは大きな強みです。現場の人間が携わることで写真撮影などにも自然に協力してもらえ、学生たちのリラックスした姿がとらえられるので、それがプラスに働いています。広報部の人間は学生との接点が少なく、どうしても作り込まれた情報になってしまいがちで、なかなかこうはいかないものです。 

- リツイートを積極的にされているそうですが、その狙いは

広報部主導でツイートしようとすると、どうしてもPRに偏りがちです。そこをリツイートでワンクッション置くことによって、押し付けがましくない形で学園の取り組みを伝えたいと考えています。当校の母体である株式会社ESPグループやその関連企業、ミュージシャンらが発信している情報を拾ってリツイートしていくことで、 当校の業界での位置づけが自然と浮かび上がる形が理想ですね。在校生や卒業生にとって、就職や自分の世界が広がるチャンスがあるといった印象を間接的に伝えることが狙いです。 

- Twitterを介した学生との交流で印象的な例があれば教えてください

毎年行われるギター製作のコンテストで、新潟出身の在校生が新潟県の形をした「新潟ギター」という作品を出展したことがあります。ギターのヘッド部分に佐渡島が付いていて、本人の実家のある位置でライトが点灯する仕掛けになっていたり、ネックの部分に新潟米が埋め込んであったりと、郷土愛に溢れたとてもユニークな作品で、審査員だった著名なギタリストがこの作品についてツイートしてくださいました。学園のアカウントでこれをリツイートをしたところ、このトピックが何百回もリツイートされ、在校生だけでなく様々な人に伝わるといったエピソードがありました。 

- Twitter広告はどのように活用されていますか

Twitter広告を利用するにあたっては、ツイートで学生の姿を紹介するだけでなく、当校ウェブサイトへの訪問者を増やし、オープンキャンパスに来てくださる方や資料請求の数を増やしたいという気持ちが背後にあります。ウェブサイトには、この業界に進みたいと考えている若い世代にとって私たちが重要だと考える情報を多く掲載していますので、その存在を知ってもらうために学園のURLを含めたキャンペーンを広告として出稿しています。 

- マーケティングへの投資はどのように管理されていますか

他に利用している主力メディアに加えて「ウェブプロモーション」という枠で予算をとり、テストマーケティングを行っています。予算の都合上、様々なメディアがある中で最終的にコンバージョン単価が最小化できるメディアに比重を置かなくてはならないという事情がありますので、SNS利用は現在のところTwitterのみです。Twitter広告を導入したのは比較的最近なのですが、 新規ユーザーにアプローチする段階を終え、現在はホームページを訪れたことのあるユーザーをイベントなどに誘導するリマーケティングに重点を置いています。ただ、特定のフォロワーへ向けて広告を出し続けているとユーザーの興味が薄れてしまうので、まだ工夫と改善の余地があると思っています。

- ターゲットやエリアセグメントの設定はどうされていますか

特定のアカウント、たとえば若者に人気のアーティストのフォロワーをターゲットにした場合、全体数が多いため年齢でフィルターをかけることが重要になります。同業他校のフォロワーも音楽業界への進学を検討している層として大切なターゲットですね。また当校は全国規模で入学募集をしていますが、学校からの距離が遠くなると進学率が下がる傾向があり、運用面で見て効率が悪いので、エリアセグメントも利用しています。

- 最後に、Twitter利用のメリットは何でしょうか

進学を検討中の高校生にとって、Twitterは在校生や卒業生と簡単に「つながる」ことができる優秀なツールとして機能していると思います。また何かを検索する際も、Google検索とは違い「みんなはどうなの?」といった疑問に対する情報収集ができます。様々な形態で情報交換ができる、とても良い時代になったと思いますね。

- ありがとうございました

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